会長挨拶

会長ユーイング肉腫は小児・若年者で2番目に多い骨原発悪性腫瘍です。臨床像により骨ユーイング肉腫、骨外性ユーイング肉腫、原始神経外胚葉性腫瘍 (primitive neuroectodermal tumor; PNET)などに分かれていましたが、共通の染色体転座を有することが明らかとなり、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍と呼ばれるようになりました。以前は欧米に比較して日本での治療成績は不良でしたが、適切な治療が行われることによって少しずつ改善されています。

診断が確定した後、治療では全身療法である抗がん剤化学療法が重要です。一般的に用いられる抗癌剤は6剤ですが、それらを組み合わせて治療が行われます。さらに、手術や放射線治療による局所治療を化学療法に組み合わせた集学的治療が用いられます。これらの治療を行った場合、限局例での治癒率は非常に改善されてきています。一方、手術時に安全な切除縁での切除が重要ですが、切除縁が不十分であった場合や、適切な切除縁での切除が困難な場合には放射線治療も行います。

ユーイング肉腫の治療成績の向上のためには、小児科医、整形外科医、放射線科医、内科医など多分野の専門家の連携を強化して効率的に集学的治療を推進することが重要です。そして、治療中だけでなく治療後も長期的にわたる副作用対策、再発や転移の問題、2次癌の問題にも十分考慮する必要があります。

私たちJapan Ewing sarcoma Study (JESS)は、Ewing肉腫の患者さんひとりでも多くの方の治癒を願って、そして治療後の生活の質の向上を願って活動を行っています。

岡山大学整形外科教授
尾崎 敏文先生